里の語りべ聞き書き 第11巻
この書籍の中のお話から よこね峠の古狸(1407)、鬼婆の仲人(1408)、虹の嫁(1473)※冒頭に明記はないけど、がアニメ化されました。
書籍名里の語りべ聞き書き 第11巻
編著名川内彩友美
出版社有限会社 三丘社
発刊日1992年06月10日
管理番号sato11
※掲載情報は 2015/5/5 1:41 現在のものです。内容が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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収録数23話
収録数23話

目次

なくなった『出水』,むじなに化けた坊さんの話,屁こき嫁,虹の嫁,水恋鳥,ウグイス谷,一夜で立った松,犬の堂の話,智恩戸稲荷,亡魂船の話,目ひとつ小僧,天の魚変化,亀山の玄蕃はん,よこね峠の狸,夜中に綿ぶくがころびよった,天狗の笛,竜に惚れたお姫さま,川ながれ餅,大阪屋の嫁,怒った石龍はん,松川童と名護親方,千手観音,年の夜の話

巻末に掲載されていた「話者名」一覧

石見完次(兵庫県)、角田俊久(神奈川県)、山本ハツ(新潟県)、岡村光治(高知県)、前田治郎助(千葉県)、江原重吉(京都府)、伊勢崎信太郎(東京都)、大木はな(静岡県)、堀田千年(福岡県)、村山武(福岡県)、山本川恒(沖縄県)

里の語りべ聞き書き 第11巻 読んだ感想というかメモ

なくなった『出水』
話者:石見完次(話者リストより)
親孝行の娘「おはつ」が奉公先からの帰り道、休んでいた場所に泉が湧いた。おはつはいつも水の神様に感謝していたが、村人たちは感謝や掃除を怠った。やがて泉はおはつの時にしか澄まなくなったので、村人たちは反省し泉を大切にするようになり、いつ頃からか出水と呼ばれるようになった。しかし、昭和43年のえびの地震でこの出水はつぶれてしまった。
むじなに化けた坊さんの話
話者:角田俊久(話者リストより)
狸和尚(0490)の類話。相模原のある村に、鎌倉の建長寺のお坊さんがやってきた。立ち寄った家の人は、本当はタヌキと正体を見破っていたが、素知らぬ顔しておもてなしした。最後に鹿の絵を描いてもらった。
屁こき嫁
話者:山本ハツ(話者リストより)
屁ひり女房(0150)の類話。この話では、屁のパワーにより、力仕事は一切しなくて良くなった。めでたしめでたし。
虹の嫁
話者:山本ハツ(話者リストより)
虹の嫁(1473)の出典元と思われる。アニメタイトルには明記が無いが、多分間違いないでしょう。アニメと比較すると、アニメの方が随分演出された感じはあるけど、内容は同じ。ストーリーは、越後の国に「やたみ」という若者がいた。天女に恋したやたみは、天女の生まれかわりの娘を探し回り、ようやく16年後に娘「あけみ」を見つけた。二人は結婚し、末永く仲良し夫婦になった。
水恋鳥
話者:岡村光治(話者リストより)
弱った母に熱々の番茶を飲ませて死なせた親不孝な息子の話。息子には、山の神様のバチが当たり同じ目にあって死んだ。その後、息子は水恋鳥になり、水を飲もうとすると、熱々になって飲むことができなかった。だから、この鳥は、いつも天を仰ぎ、空から降ってくる雨で喉の渇きを癒すようになった。
ウグイス谷
話者:該当者なし
見るなの座敷(0854)の類話。
一夜で立った松
話者:前田治郎助(話者リストより)
千葉の行徳あたりにあった大きな2本の松の木の話。大正6年10月1日に起こった大津波で、根っこから流され田んぼの中に倒れていた。何千人と死者が出る中、ある朝、いつのまにか松の木が元通りの場所に何事もないように立っていた。村人たちは、きっと八百万(やおよろず)の神たちが協力しあって、元通りにしたんだろうと話し、納得した。今もこの松の木はある。
犬の堂の話
話者:江原重吉(話者リストより)
犬の碑の話(0167)の類話。宮津のはずれにある犬の堂。
智恩戸稲荷
話者:江原重吉(話者リストより)
三河内の吉崎岬にある智恩戸稲荷は、百姓の神様で、願いを必ず叶えてくれる神様だった。しかし、この神様は狐だったので、イタズラ好きで村人たちもイタズラには困っていた。ある時魚屋からフグを騙し取って食ったが、腹が痛くなり名医の典礼さんのところへ薬をもらいにやってきた。今後イタズラはしないと約束させて薬を出してやった。
亡魂船の話
話者:伊勢崎信太郎(話者リストより)
小笠原諸島の父島と硫黄島の間を往来する船が、ある時、行方不明者になった。7日後、ひょっこり戻っていた船は、全員が無事であった。舵がきかなくなり潮の流れに任せて漂流していた時に、霧の中で亡魂船に出会ったそうだ。海で不慮の事故で死んだ海の男たちの迷える魂だ。
目ひとつ小僧
話者:大木はな(話者リストより)
伊豆の八木沢という村での話。人の悪口を言い、村人たちの心を暗くしている目ひとつ小僧を、なんとか撃退しようと思案した村人たちの話。
天の魚変化
話者:該当者なし
平家の残党である「白龍仙人」とその弟子「小二郎左衛門安綱」の話。小又川上流の「泳ごう渕」の怪魚になってしまった安綱と白龍仙人との悲しい闘い。
亀山の玄蕃はん
話者:江原重吉(話者リストより)
戦国時代の玄蕃亮が馬に乗って戦火逃れて亀山城へ向かっていた。途中、細川の鉄砲組に撃たれ死んだが、馬はまだ瀕死の状態で生きていた。誰もトドメをさしてやることもせず、苦しみもがいて馬は死んだ。村人たちは可哀相に重い、丁寧に社につくり葬ると、馬は村人たちに感謝して歯痛の神様となった。今でも玄蕃はんと呼ばれている。
よこね峠の狸
話者:大木はな(話者リストより)
アニメと同じストーリー。小さな差異は、太郎兵衛が石を投げると母親が咎める。それを素直に聞いてすぐに投石をやめて、石垣のようにこずむようになった、という点くらい。
夜中に綿ぶくがころびよった
話者:石見完次(話者リストより)
兵庫の石守村はたいへん貧しい村で、子供を堕したり間引いたり、苦しむ旅人を見殺しにした。いつの時からか、夜中になると気色の悪い綿ぶくが転がるようになった。村人たちは相談し合い、旅人と赤子らの魂を慰めるために法華経を「一字一石」して供養した。今もお堂の前にある法華塔がそれだ。
天狗の笛
話者:堀田千年(話者リストより)
大根川の上流、古賀町と福間町の境、清滝という所での話。天狗の笛を拾った男とが、天狗さまの怒りをかい、横笛が唇から取れなくなってしまった。行者に呪文を唱えてもらってどうにか取ってもらい、横笛を氏神さまの神社に奉納して天狗の怒りを鎮めた。
竜に惚れたお姫さま
話者:堀田千年(話者リストより)
浮岳のふもとにいた美しい姫の話。地方の豪族の娘ではあったがたいへん美しかった。ある時、山で出会った若者と恋に落ち、やがて男の子を産んだ。若者は山の神様である白竜だった。男の子は神功皇后のもとで活躍した。この土地の白竜神社は、安産祈願の参拝者が絶えない。
川ながれ餅
話者:山本ハツ(話者リストより)
息子は21歳に丹波川に流されて死ぬ運命であることを、父親が知った。父親は、息子が21になる年の8月1日と12月1日に(寺ぶるまいというお供えをする習慣の日)、ありったけのぼた餅を作り、行き交う人たちに振舞った。すると、でっかい坊さんが現れてぼた餅をたらふく食った。坊さんは息子を食いにいたがもう腹一杯なのでやめておく、といって帰って行った。結局、息子は61歳まで生き、大往生。それからぼた餅は倅が川に流される事を防いだという事で、川蓋ぎ餅(かわふたぎもち)と言うようになった。
大阪屋の嫁
話者:山本ハツ(話者リストより)
アニメと同じストーリー。越後の与板に、心優しい若者がいた。この若者を食べようと弥三郎婆が登場。弥三郎婆は、鴻池の娘を京都の角倉家に嫁ぐカゴの中から強奪。そのうち二人の間に子供ができて鴻池家へ里帰りしすると、喜んだ鴻池は小判を持たせた。それを元でに酒造業を始め大成功。「与板の殿様一万石、酒の大阪屋は二万石」と盆踊りの歌にうたわれるほどの大金持ちになった。
怒った石龍はん
話者:江原重吉(話者リストより)
石龍とは水神さまの事。石龍さんは煙草と柿の渋が嫌いと知っていて、わざと煙草の煙を吹きかけた若者にバチが当たったよって話。
松川童と名護親方
話者:山本川恒(話者リストより)
まちがーわらび(松川童)のとんち話。
千手観音
話者:山本川恒(話者リストより)
千手観音は海の守り神。なぜなら、海で遭難している人を、千本の手で千人掴んで助けてあげられるから。
年の夜の話
話者:山本川恒(話者リストより)
年神さま(0104)の類話。親切のお礼に、神様から若さをもらった爺と婆。それを真似たものの失敗して猿になってしまった、よくばり長者の爺と婆。空き家の屋敷に住むようになった若返った爺婆のところへ、屋敷を返せと猿がやってくるので、熱い石で撃退した。だから猿の尻は赤い。

※この書籍情報は、紅子が国会図書館の蔵書を借りて読んで、お話の内容や情報をメモったものです。話者名は巻末に出身地とともに紹介されていて、お話の採録地と照らし合わせたものです。(2012年8月現在)

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