里の語りべ聞き書き 第10巻
この書籍の中のお話から 座敷童子(0950)、がアニメ化されました。
書籍名里の語りべ聞き書き 第10巻
編著名川内彩友美
出版社有限会社 三丘社
発刊日1990年10月01日
管理番号sato10
※掲載情報は 2015/5/5 1:40 現在のものです。内容が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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収録数23話
収録数23話

目次

座敷わらし(一),座敷わらし(二),本当にいた『座敷わらし』,月子・星子,腹帯の話,歯があらば,小石の湯,カッパの証文,ご本尊さまのご慈悲,働きものの弁天さま,つののないさざえ,あずまやさま,鬼の田植え,節分のいわれ,茅の根元はなぜ赤い,日暮らし地蔵,若作りの婆しゃま,ばか息子,百姓和尚,浦姫さま,手ぎきの嫁,鷹の目と猿の耳,はなしの十蔵

巻末に掲載されていた「話者名」一覧

鈴木サツ(岩手県)、藤原正造(岩手県)、佐々木重義(岩手県)、羽染ハナ(福島県)、斎藤弘志(長野県)、石井作平(東京都)、佐藤弁正(東京都)、平永八重子(千葉県)、原沢はる(群馬県)、中山主膳(福岡県)、長崎初男(福岡県)、浦上喜三男(福岡県)、別府龍江(福岡県)、堀田千年(福岡県)、大隅岩雄(福岡県)

里の語りべ聞き書き 第10巻 読んだ感想というかメモ

座敷わらし(一)
座敷童子(0950)の後日談。座敷わらしに出ていかれた孫左衛門の家のその後の話。孫左衛門の家は、もともと秩父路で13代も続いた長者だったが、女の子二人の座敷童に出て行かれたため、いろいろと不思議なことが起こるようになり、最期は毒キノコを食べて一家全員&使用人も含めてみな死んだ。唯一不在で難を逃れた7歳の娘は生き残ったが、結局は長生きしなかった。
座敷わらし(二)
座敷童子(0950)と比較すると、小さな差異がある。屋敷におずれるのは旅の六部であった。それに孫左衛門は座敷童が出ることも知っていて、あらかじめ六部に「ちょっと夜はうるさいかも」と言っていた。座敷わらし(一)の孫左衛門と同じ登場人物名だが、ちょっと時間軸にずれがある。
本当にいた『座敷わらし』
実在したというリアルエピソード。左比内の豪農、畠山家にいたという座敷童の話。コンコン音がしたり皿が飛んできたり石が飛んできたりした。リアルな実名入りで、当時のエピソードを語る。畠山家は、大正4年に火災にあったがまだ座敷童はいた、昭和4年に再び火災があったがそれ以来座敷童は出てこなくなったそうだ。
月子・星子
糠福米福の継子話の類話。アニメ化されてないけど、この話はよく見かける。先妻の子が月子、後妻の子が星子。二人は仲良しだったが、継母は月子を箱にいれ山へ埋めた。この計画を察知した星子が姉にカブの種を渡し、道すがら落として行くように言った。やがて父親と共に月子を探しに出て、カブの芽を辿って土から掘り出し、三人で天に昇った。後妻は恥ずかしくなり土龍(もぐら)となって土に潜った。
腹帯の話
役に立つ動物である「犬」をもっと優遇してもらえないだろうか、と人間が神様にお願いした。神様は犬のティンコに手心を加えて抜けにくくしてやった。これにより犬は長時間お楽しみができるようになったので、犬は人間へのお礼にと「犬の日に腹帯を巻けばお産が軽くなるように」してあげた。
歯があらば
話者:羽染ハナ(話者リストより)
古寺に出てくるお化けの正体は、桜の気の根元に埋められた短冊に書かれた歌だった。「歯があらば 骨すじ喰って帰るべし なめて帰るは 歯なし(話)なりけり」
小石の湯
話者:斎藤弘志(話者リストより)
純愛ストーリー。元禄の終わり頃、信州戸倉に「おまさ」という大変な器量よしの娘がいました。おまさは、江戸からやってきた美男子の米吉と恋に落ち、どうにか明日は婚礼というところまでこぎつけた。しかし、江戸からの便りで急遽江戸へ帰った米吉は、音信不通になりおまさは心配して観音様に願をかけた。その際、偶然見つけた温泉を「恋しの湯」「小石の湯」と呼ぶ。
カッパの証文
一人暮らしの婆さまの家には大きな梨の木があったが、ある年カッパが梨を盗むようになった。とっつかまえたカッパに二度と梨は取らないと証文を書かせ、今でもこの証文は婆さんの家にあるそうだ。強気な婆さんだなあ。
ご本尊さまのご慈悲
寒い中、凍えてやってきた旅人のために、和尚さんは貧乏寺で何も無かったので、ご本尊を鉈で割り囲炉裏にくべて火をつけた。どうにか温まった旅人はバチが当たらないかと心配したが、和尚は「これが本当の仏のご慈悲だ」と言った。
働きものの弁天さま
話者:平永八重子(話者リストより)
つののないさざえ
話者:平永八重子(話者リストより)
日蓮の話。自分を救ってくれた男が、さざえのツノで足の裏を切って怪我をしたのを見て、日蓮さんがさざえに「人を怪我させないようにしてくれ」と頼んだ。今でも房総半島の外房、小湊のさざえにはツノがないそうだ。
あずまやさま
話者:原沢はる(話者リストより)
鬼の田植え
話者:該当者なし
田植え鬼(0793)と同じストーリー。
節分のいわれ
くぬぎの精といり豆(0849)と同じストーリー。ちなみに、男が放った屁の音は「セツブーン」だった。
茅の根元はなぜ赤い
お月さん金の鎖(0124)の類話。
日暮らし地蔵
若作りの婆しゃま
若いのが好きな婆さま(0883)と同じストーリー。
ばか息子
あほうむすこの魚屋さん(0282)の類話。この話の場合、とうとう最期は牛のツノに刺されて死んでしまう。
百姓和尚
あるところに、仲の良い二人の百姓の男の子がいた。片方の男の子は良家の子になりやがて疎遠になった。残った男の子は、友との再会を夢見て坊主になり修行に精進した。やがて念願の龍国寺の住職となり、偉くなった友との再会を果たし、お互い手を取りあって喜んだ。この僧は「鉄肝」といい、自ら作った美しい庭は「鉄肝園」として今も開放中。
浦姫さま
寛永2年、突然、神様から神通力を授かった妻女がいた。ものすごい予知能力があったそうだ。浦姫と呼ばれ、今でも祠がある。
手ぎきの嫁
手ざき=手早い、という意味。小倉の南、紫川の上流、西谷地区の吉兼というところに器量良しの「おぎん」という娘がいた。仕事が早いので、亭主にする男も自分以上に仕事が早いことを条件にしていたので、25歳という高齢の行き遅れだった。やがて、スーパー手早い男と縁があり、仲人も間に合わないほどあっという間に結婚した。
鷹の目と猿の耳
よく見える目は、鷹の目。良く聞こえる地獄耳は猿の耳。その凄さに関するエピソード。
はなしの十蔵
藤助どんの鴨とり話(0244)の類話。ここでの猟師は十蔵という名前。このエピソードにより、この地域では、思わぬ儲け事を「はなしの十蔵のごたる」と言っている。

※この書籍情報は、紅子が国会図書館の蔵書を借りて読んで、お話の内容や情報をメモったものです。話者名は巻末に出身地とともに紹介されていて、お話の採録地と照らし合わせたものです。(2012年8月現在)

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