里の語りべ聞き書き 第07巻
この書籍の中のお話から はなとり地蔵(1258)、がアニメ化されました。
書籍名里の語りべ聞き書き 第07巻
編著名川内彩友美
出版社有限会社 三丘社
発刊日1989年09月10日
管理番号sato07
※掲載情報は 2015/5/5 1:37 現在のものです。内容が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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収録数22話
収録数22話

目次

ボホボホ,竈神様(炭焼長者),扇屋おつる,蹴上げ観音,へいこらまんじゅう,おしょうギツネ,おひのもりの天気祭り,るいさんちのおはやし,はなとり地蔵,シビラの坂,四鬼の岩屋,弥九郎の犬,あれこれの縁,お寺山の出雲岩,たなばた池の羽衣,伯母峰の一本足,虫くい豆,首なし地蔵,種の藤助,こうぞ狐,東光山の笑い男,おさんちゃん狐

巻末に掲載されていた「話者名」一覧

正部家ミヤ(岩手県)、菅原たまよ(宮城県)、奥田俊亮(茨城県)、和爾貴美子(千葉県)、篠崎芳治(神奈川県)、笹野邦一(神奈川県)、斉藤弘志(長野県)、岡嶋秀雄(石川県)、芝崎格尚(三重県)、江原重吉(京都府)、辻井梅野(奈良県)、下野敏雄(兵庫県)、竹信要(鳥取県)、常国和久(山口県)、山本幸男(高知県)、長崎初男(福岡県)

里の語りべ聞き書き 第07巻 読んだ感想というかメモ

ボホボホ
話者:正部家ミヤ(話者リストより)
全国的にある「旅学問 朱膳手腕」という話の一種です。山伏の吹いているほら貝が「ボホボホ」と聞こえていたため、物をもらうことをボホボホだと思い込んだバカ息子。柿の木から転落して怪我をしたので、「薬がほしい」という意味で「薬をボホボホ」と手紙を書いた。
竈神様(炭焼長者)
話者:菅原たまよ(話者リストより)
この話のタイトルは「カマ神様と炭焼長者」がしっくりします。内容は、隣同士で同時期に赤ん坊が生まれた。二人は大きくなって結婚したが、ダメ亭主に疲れ果てて家を飛び出した娘は、貧乏な炭焼きの男と一緒になる。炭焼きの男は山から金を掘り出したのでやがて長者になる。やがて乞食が物乞いにやってくるもそれは前の亭主だった。あわれに思った娘は現亭主と相談し、火の番をする仕事をあたえた。やがて前の亭主は顔が真っ黒に煤汚れして、これが「かま神様」となった。
扇屋おつる
話者:正部家ミヤ(話者リストより)
ある侍が、扇屋の美しい娘おつるを無礼者!と切り殺した。しかし、自分の無知ゆえの誤解だったとわかり、死んだ娘と結婚することにした。すると夜になるとおつるが幽霊となって現れ、侍と仲良くすごしやがて子供を産んだ。おつるの幽霊がこの世を去る際の願いどおり、侍は子供を竹藪に捨てた。すると子どもはお坊さんに拾われ、やがて立派な僧になった。この僧は、江刺市黒岩の正法寺を開いたという。
蹴上げ観音
話者:奥田俊亮(話者リストより)
水戸市の神應寺にある、左右を蹴り上げた珍しい姿の観音様の話。作ったのは秋太郎で、若いころは悪人だった秋太郎が、雷神に襲われたときに母親が身代わりになろうとした。その母親を助けるべく現れた観音様が、雷神を左足で蹴っ飛ばした。それから秋太郎は改心し、親孝行もし、やがてこの蹴り上げ観音を彫り上げて、諸国行脚の旅に出た。その時この神應寺に立ち寄り、置いて行ったものだろうとの事。
へいこらまんじゅう
話者:和爾貴美子(話者リストより)
どっこいだんご(0447)の類話。
おしょうギツネ
話者:和爾貴美子(話者リストより)
お寺へのお供え物をだまし取る、化け上手な狐の話。
おひのもりの天気祭り
榊(さかき)の木の根元にある祠「おひのもり」の話。昔、入梅の頃、北の方から敵に追われて逃げてきた姫様がいた。数名の従者も殺されついに姫様も切り捨てられた。かわいそうに思った村人たちが手厚く葬ってあげると、長雨があがりおてんとうさまが顔を出した。村人たちは、死んだ姫のことを「照姫」とよび、長雨が続いて困っているときには、祠の前で「天気祭り」を行うようになった。その後、この祠のある森を「お姫の森」→「おひのもり」というようになった。
るいさんちのおはやし
ある栄えた宿場町にて、川魚屋を営んでいた「るいさん」のお婆さんの話。情け深いおばあさんは、家の床下に住み着いた狸・狐・猫をかわいがっていた。ある寒い夜のこと、寝付かれないでいると、3匹がやってきて自慢の腹鼓を聞かせてくれた。おばあさんも楽しくなって一緒に三味線を弾いたりして楽しく過ごした。
はなとり地蔵
話者:斉藤弘志(話者リストより)
アニメと同じストーリー。戦国の世も末の頃、との事。小さな差異は、代掻き(しろかき)をやってくれたのは「小柄だが逞しい男」で、男の子でない。この爺婆はやがて富み栄え、屋代長者と呼ばれるようになった。今は、このお地蔵さんは一重山の上に移された。
シビラの坂
話者:岡嶋秀雄(話者リストより)
シビラの坂(0501)と同じストーリー。芝原法光の話、読みは「しびら」となっている、しばはらではない。柴垣から滝谷へ行く途中にある坂に法光の家があった。
四鬼の岩屋
話者:芝崎格尚(話者リストより)
弥九郎の犬
話者:芝崎格尚(話者リストより)
弥九郎の犬(0327)と同じストーリー。小さな差異としては、弥九郎がのどに骨がささり元気のなかったオオカミを助けた、ってところ。時代は、紀州新宮の堀内公に治められていた寛永の頃の話。尾呂志(おろし)の坂本というところに住む、峰弥九郎という猟師の話。鉄砲の名人だったやくろうは、尾呂志領主「尾呂志孫三郎」とともに新宮城主の堀内公にも仕え、挑戦征伐や関ヶ原の合戦にも出陣し、数々の手柄を立てた経歴を持つ。
あれこれの縁
話者:江原重吉(話者リストより)
この地方では、10月28日になると良縁に恵まれるために村の娘たちは先を争って、氏神様にお参りした。陰暦の10月になると、縁結びの神様である出雲の神様が全国の男女の縁を承認するのだが、おしまいの方になると出雲の神様もすっかりこんがらがってしまい、あれこれの縁をヨッシャヨッシャと承認していく。だから遅くお参りすると、出雲の神が適当になりあれこれの縁にならないように暗いうちからお参りに行くそうだ。
お寺山の出雲岩
話者:江原重吉(話者リストより)
目次にはないけど、ちゃんとお話としてタイトル付きで掲載されている。内容は、お寺山近くの田んぼの中にある大きな出雲岩の話。ある時、阿知江部神社の祭神である長白羽命(ながしらはのみこと)が出雲帰りに草鞋についた石粒を蹴っ飛ばして落ちたものが、この大岩である。
たなばた池の羽衣
話者:江原重吉(話者リストより)
大宮町のいさなご山(足占山)には、底なし沼をはじめとする七ツの池があり、「たなばた池」と呼ばれている。このお話は七夕のお話だが、差異は七夕は3人の娘を産んだが、娘を残して天に帰って行った。3人の娘の墓はいまでもあるという。
伯母峰の一本足
話者:辻井梅野(話者リストより)
虫くい豆
話者:江原重吉(話者リストより)
お夏石(0503)の類話。
首なし地蔵
話者:下野敏雄(話者リストより)
迎えに来たわが子を、狸と間違って首を切り落とした父は、後悔してお地蔵さんを祀ったが、何度修理してもお地蔵さんの首だけが落ちてしまう。今では落ちた首はそのままにしてあり、正福寺のかたわらにある。
種の藤助
話者:竹信要(話者リストより)
基本的には、狐女房(0053)の類話。でも女房が狐だとばれるきっかけは、かじ屋のばばあ(0152)の展開なのだ。
こうぞ狐
話者:常国和久(話者リストより)
分銅狐(0129)の類話。
東光山の笑い男
話者:山本幸男(話者リストより)
東光山の笑い男(1122)と同じストーリー。冒頭の男は、樋口関太夫という三百石取りの船奉行。
おさんちゃん狐
話者:長崎初男(話者リストより)
花見松原(粕屋郡古賀町)にいた、とんちの又ぜえというイタズラ狐の話。

※この書籍情報は、紅子が国会図書館の蔵書を借りて読んで、お話の内容や情報をメモったものです。話者名は巻末に出身地とともに紹介されていて、お話の採録地と照らし合わせたものです。(2012年8月現在)

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