里の語りべ聞き書き 第04巻
この書籍の中のお話から 浮田の大蛇(1135)、サルと池(1151)、幽霊飴(1205)、がアニメ化されました。
書籍名里の語りべ聞き書き 第04巻
編著名川内彩友美
出版社有限会社 三丘社
発刊日1988年09月10日
管理番号sato04
※掲載情報は 2015/5/5 1:34 現在のものです。内容が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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収録数20話
収録数20話

目次

たにきょう,ドタバタとカサコソ,錦木塚物語,生笹,時鳥になった継母,大歳の客,女化原の狐,天から降ってきたわらじ,うさぎのほどこし,サルと池,幽霊飴,ぴんぴょこ,猫と鼠,いもりの黒焼き惚れ薬,二重堤のおそのさん,名付,魚屋の嫁,浮田の大蛇,鼻取村,シーミーの話

巻末に掲載されていた「話者名」一覧

松橋茂治(秋田県)、成田元一(秋田県)、佐藤弁正(東京都)、谷島三郎(茨城県)、森海玄(三重県)、谷口鉄蔵(兵庫県)、村山武(福岡県)、菅原たまよ(宮城県)、別府龍江(福岡県)、追崎卯一(大分県)、佐和田カニ(地名なし)、小林チヨ(東京都)

里の語りべ聞き書き 第04巻 読んだ感想というかメモ

たにきょう
主人公はたのきゅうで、アニメと比較すると話は異なる点も多い。一応、たのきゅう(No.6)の類話ではある。人形芝居師のたにきょうは、母のためにうわばみが出るという峠を越えようとして、案の定うわばみに遭遇した。ちなみに、うわばみが嫌いな物は、たばこのヤニと柿の渋。
ドタバタとカサコソ
話者:菅原たまよ(話者リストより)
一人で留守番していたお寺の小僧さん。客殿でドタバタと物音がすると、なぜか出来立てホヤホヤのあんこ餅の重箱が置いてあった。ついつい一人で食べちゃった小僧さんでしたが、ふたたびカサコソと物音が聞こえ今度はお赤飯の重箱が出てきた。こちらもうっかり全部食べちゃた。次にピンカラリーンと音が聞こえてきたので、期待して行ってみると、なんと大入道がいて逆に食われそうになった。この件を知った和尚さんは、一人で欲張るものじゃないよ、と諭した。
錦木塚物語
悲恋の話。機織りをする政子姫に一目ぼれした若者が、せっせと思いを叶えようと姫の家に通う。最後はお互いの思いを伝えられないまま死んだ。
生笹
このお話には地域名が明記なしだった。
生笹(いくざさ)という緑色の恐ろしい化け物がいて、村人たちは恐怖におののく日々を送っていた。弓の名人である猟師たちが矢を射こんでも、生笹の体を通り抜けてまったく無傷で逆に猟師たちは返り討ちにあった。偶然、一人の若者が旅の途中でこの村に通りかかり、遠い異国からやってきた鉄砲(火縄銃)でやっつけてくれた。生笹は死にはしなかったが、もう鉄砲を恐れて里を襲うことはなくなった。
時鳥になった継母
話者:菅原たまよ(話者リストより)
アニメ化されてはいないけど、全国的に伝わっている定番「ホトトギス」のお話。先妻の子と継母と里芋の煮物がアイテムとして登場。娘の腹を裂いた継母は、神さまから罰を受け「一日8千8声鳴け、たとえ喉が裂け血を吐くとも」と言われ、ホトトギスになった継母は「ポットサケター、ポットサケター」と鳴き続ける運命になった。
大歳の客
話者:菅原たまよ(話者リストより)
歳の暮れ、お婆さんが織った布3反を町に売りに行ったおじいさん。町で、米と味噌を買って帰る途中、おじいさんは若い乞食にコメを全部炊いて食わせてやった。すると夜中に船に乗った「獲り本尊の八幡大菩薩」が小判を沢山持って、お礼にやってきた。
女化原の狐
話者:谷島三郎(話者リストより)
働き者の若者「忠五郎」が、猟師に撃たれそうになっていた狐を助けた。するとその晩、旅の母娘がやってきて娘を置いて母は消えた。やがて二人は結婚し二男一女をもうけたが、実は嫁は(娘は)狐が化けていたもので正体がばれると、名残惜しそうに一句残して去って行った。「みどり児が母はと問わば女化原に、なき伏すとちちよこたえよ」この狐の巣穴は、今でも女化稲荷の奥の院にある穴だそうだ。
天から降ってきたわらじ
戦(いくさ)に参加していた村人たちはとても貧しく、わらじすら持っていなかった。力尽きた兵士たちは、山の麓まで逃げ帰ってきたが、源五郎が天に向かって祈ると、天からわらじが千足も落ちてきた。それ以来、この山の麓あたりは「千足」とよばれるようになり、源五郎が身を潜めていた岩を「源五郎岩」として残っている。
うさぎのほどこし
罠にはまっていたウサギをそれを傍観していた猿と狐。結局、3匹とも猟師に捕えられるも、偶然通りかかった旅の僧に助けてもらった。お礼にと、猿と狐はたくさんの山の幸をお坊さんに持ってきたが、ウサギは何も持ってこれなかった。ウサギは自分の身を火の中に投げ「私の肉を食ってください」とお坊さんに言うと、ウサギの心を理解したお坊さんが、ご褒美にと、どんな獣に追われても逃げられる強い足の力を授けた。
サルと池
サルと池(No.1151)と同じストーリー。
幽霊飴
話者:森海玄(話者リストより)
幽霊飴(No.1205)と同じストーリー。桑名にある飴屋「飴忠」と浄土寺が舞台。
ぴんぴょこ
話者:谷口鉄蔵(話者リストより)
生のイカは、干したら「スルメ」と名前が変わる。勘作話(No.0280)の「細長いお魚の話」と似た印象のトンチ話。
猫と鼠
十二支の由来(No.0107)と同じく、猫がネズミを追いかけまわす由来。
いもりの黒焼き惚れ薬
惚れぐすり(No.992)と同じストーリー。
二重堤のおそのさん
堤が二重になっている場所に出る、だまし上手な狐「おその」の話。ある晩、おその狐は美しい女に化け、祝言帰りの男からおいしい食べ物のお土産をだまし取った。この狐はよく人を騙したそうだ。
名付
3人の子供の名前を付けてくれと相談された和尚さん。学問や知識のある偉いお坊さんだったが、ウィットに富んだ下品な名前を付けてくれた。戸惑った子供の父親が名前の意味を尋ねると、本当の意味を説明して父親を感心させた。名僧智識とはこういうものだろうね、って話。
魚屋の嫁
鰹(かつお)が人間になって魚屋の嫁になった。ある時、嫁がおしっこを味噌汁に入れていたのを見て、亭主は怒ってどなりつけた。しかし実は、おいしいカツオの出汁を味噌汁に入れていた。正体がばれたカツオ嫁は家を出て行った。
浮田の大蛇
話者:追崎卯一(話者リストより)
浮田の大蛇(1135)と同じストーリー。五知網漁(ごちあみりょう、鯛だけを捕る専門の網を使った漁)にいく船に便乗させてもらう。小さな差異としては、お坊さんが船主に乗船を頼みこむ、という描写はない。また、嫁の遺灰を海に撒くという描写もない。
鼻取村
シーミーの話

※この書籍情報は、紅子が国会図書館の蔵書を借りて読んで、お話の内容や情報をメモったものです。話者名は巻末に出身地とともに紹介されていて、お話の採録地と照らし合わせたものです。(2012年8月現在)

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