里の語りべ聞き書き 第01巻
この書籍の中のお話から きつねの嫁入り(0903)、のんべえの頭の柿の木(1218)、姥皮(1237)、むりどん(1239)、絵ねことねずみ(1287)、言うなの地蔵(1401)、がアニメ化されました。
書籍名里の語りべ聞き書き 第01巻
編著名川内彩友美
出版社有限会社 三丘社
発刊日1986年04月10日
管理番号sato01
※掲載情報は 2015/5/5 1:25 現在のものです。内容が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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収録数18話
収録数18話

目次

姥皮,婆さまさうるし塗った話,むりどん,てじろのさる,座頭淵,おるすが岩,絵ねことねずみ,日本一短い会話,飛んでもフグ,橋立小女郎,おまえ言うなや(言うなの地蔵),きつねの嫁入り,「おっぱめろ」,明神様の化け物,おばけ大根,鶏塚,惣領の蛇池,のんべえの頭の柿の木

巻末に掲載されていた「話者名」一覧

三橋靖郎(青森県)、佐藤ソワ(青森県)、佐藤孝一(山形県)、原沢とらみ(群馬県)、原沢はる(群馬県)、関つる(群馬県)、前 田治郎助(千葉県)、小島嘉市(埼玉県)、在原喜予夫(山梨県)、上山秀之(石川県)、瀬窪見次(石川県)、江原重吉(京都府)、伊藤歌奈子(茨城県)

里の語りべ聞き書き 第01巻 読んだ感想というかメモ

姥皮
話者:佐藤孝一(話者リストより)
ストーリーはアニメと同じ。小さな差異は、千本の針のアイデアは夢枕に立った観音様からのお告げによるもの。お金持ちの若息子は、幾晩か娘の部屋をのぞいて見とれているうちに恋に落ちた、という点くらい。
婆さまさうるし塗った話
仲良しの爺さん婆さんが「どちらかが先に死んだら埋めずに保管しておこう」と話し合った。先に婆さんが死んで、その死体を座敷においていたらやがて匂ってきた。仕方なく婆さんの死体に漆を塗り匂いを封じ込めたが、その夜から化けて出るようになった。仕方なく、お寺の和尚さんに頼んで婆さんを弔った。どんな約束とはいえ、人間だったら弔いは必要だよって話。
むりどん
話者:小島嘉市(話者リストより)
アニメと同じストーリー。
てじろのさる
働き者の夫婦がはぐれた子ザルを見つけ、家に連れて帰った。この猿は、手が白いので「てじ」と名付けて、わが子と同じようにかわいがった。ある時てじが、赤ちゃんにお湯を使わせようとしたが、猿なので湯加減を知らないので熱湯に赤ちゃんを投げ込んだ。赤く火傷した赤ちゃんを連れて、てじは山奥の温泉で火傷を癒した。これが猿ヶ京温泉の元だそうだ。
座頭淵
話者:佐藤孝一(話者リストより)
蛇を助けてあげた男のところへ綺麗な女の姿になって恩返しに現れた。しかし正体が蛇だとばれてしまって、東の方の淵に帰って行った。その後、男は病気になり困った子供たちが母親を訪ねて淵へ行くと、母は片目を取り出して子供たちに託した。その目玉で父親の病気はすっかり治ったが、殿様がこの玉を二つ出さないと一家殺すといわれ、母親は盲になってしまった。以来、そこを中心にして半道(約2キロ)周辺の蛇は盲の蛇になったという。
おるすが岩
話者:在原喜予夫(話者リストより)
河口湖の大石という里に住む「おるす」と、対岸の勝山村に住む若者の悲恋。相思相愛だが親が反対するので、駆け落ちを決意するも、待ち合わせの夜に男が来ない。きっと強風で船ごと湖に沈んだと勘違いしたおるすは、花嫁衣装をまとってタライ舟で漕ぎ出して湖に身を投げた。後にそのことを知った若者も、湖に身を投げた。二人が忍んで会っていた岩をおるすが岩とよんだ。
絵ねことねずみ
ストーリーとアニメと同じ。小さな差異は、出て行く時に母親は取り乱したりしない。
日本一短い会話
寒い地域では「どさ」と尋ねれば「ゆさ」と応える。どこさいくか?と尋ねると、お湯(お風呂)へ行くよ、と応える。補足として記載があった、とてもとても短い話。
飛んでもフグ
話者:前田治郎助(話者リストより)
強情っ張りの二人が船に乗って沖に漁にでかけた。波間に浮かぶ白い物を見て、片方が「ふぐ」だと言い、片方は「カモメ」だという。二人が白い物に近づいて確認すると、カモメがぱっと飛び立っていった。それでも片方は「飛んだってフグだ」と言い張った。このことからこの土地では、ひどい強情っ張りの人を「飛んでもフグ」のタイプだ、と言うようになった。
橋立小女郎
話者:江原重吉(話者リストより)
橋立に住む小女郎というキツネはいつも人間をだましていた。そこで成相寺に住むある若者が小女郎退治に出かけ、まんまと化け道具である「狐玉」を取り上げた。それ以降、もう小女郎からだまされる村人はなかった。
おまえ言うなや(言うなの地蔵)
ストーリーはアニメとほぼ同じだが、設定に若干違いがある。主人公の若者は、和尚さんからお使いを頼まれていたわけではなく、町に所用があって出かけた帰りに、お地蔵さんのお団子を完食する。そもそもこの主人公の男は、いまだ独り立ちできない男(駄羅=だらの男)でちょっとダラッとした印象のうっかり者の若者で、アニメのような凛々しい若者ではない。他の差異として、最後にお灸をすえてくれるばあさんは登場しない。
きつねの嫁入り
ストーリーはアニメと同じ。
「おっぱめろ」
話者:前田治郎助(話者リストより)
早めに夕食を食った漁師たちが、お互いの村で団結して綱引きを行う。もうそれはカカアも参加する村をあげての団結ぶりで、村人たちの楽しみでもあった。この綱引きは、綱の中心線に太い丸太をおっぱめて、綱引きを開始する。あまりの熱の入りようだったが、明治時代にはいつの間にか消滅していった。血の気の多い若者たちが博打などの悪い遊びに走らせないための、大人の知恵だったようだ。
明神様の化け物
話者:伊藤歌奈子(話者リストより)
ひねくれ婆と明神様(No.858)の類話、よく似てる話。
おばけ大根
話者:佐藤孝一(話者リストより)
大根むかし(No.826)とほぼ同じお話。
鶏塚
話者:江原重吉(話者リストより)
主人も猫も鶏も同じ年(No.1307)の類話。夜中に鳴いた鶏は不吉だと言われ、仕方なく鶏を川に流した。そして鶏は死んだが、実は危険を知らせてくれていた事に気が付いた主人は、鶏の亡骸を小高い丘にねんごろに葬った。それは鶏塚と呼ばれ今でも宮津湾を見下ろす丘にある。
惣領の蛇池
松坂の蛇池の話。松坂の庄屋である笠原家で大きな田んぼを開墾したが、水の手配ができなかった。困っているうちに蛇池の主が現れ、大雨を降らして娘を嫁にしようとする。庄屋の戸の鍵穴から蛇が侵入してきて、娘大ピンチ。この娘を助けてくれたのは、炊事係の下女おきぬの飼っていたコケガニ(沢蟹)で、蛇の体を7ツ半に切って退治した。切れた蛇の体はカラスがくわえてあちこちにばらまかれ、それが落ちたところに「目の玉蛇池」や「なわまたの蛇池」などのいくつもの蛇池ができた。また、このことから、庄屋の屋敷では鍵穴をつくらなかった。
のんべえの頭の柿の木
アニメとほぼ同じストーリーだけど、ちょこちょこ異なる点がある。頭の池の魚を狙ってタカが襲ってきたが、のんべえが魚を取られまいと鷹の足をつかむとふわりと空へ舞い上がった。のんべえを妻が必死につかむと、妻も空へ。いよいよもって手がしびれて空から落っこちた二人だったが、湖に落ちて事なきを得た。頭の池にはさらに湖の魚が加わって、その魚を売ってのんびりと暮らした。

※この書籍情報は、紅子が国会図書館の蔵書を借りて読んで、お話の内容や情報をメモったものです。話者名は巻末に出身地とともに紹介されていて、お話の採録地と照らし合わせたものです。(2012年8月現在)

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